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意識の6段階「ニューロ・ロジカル・レベル」

本日のテーマは、意識の6段階「ニューロ・ロジカル・レベル」について、お話させていただきます。今回の「ニューロ・ロジカル・レベル」のお話は、現在、私がPHPビジネスコーチ養成講座で、新しく学んでいるコーチングの1つです。私のようなコンサルタント・講師は、クライアントに対するコーチングの際に役立てることができますし、セルフコーチングにも活用することも可能で、自分自身の人生をより良い方向に導きたいと思っている方には最適です。みなさん一人一人にお役に立てる内容かと思いますので、ぜひ、使い方の事例を含めて、ご紹介させて頂ければと思います。

意識の6段階「ニューロ・ロジカル・レベル」とは

意識の6段階「ニューロ・ロジカル・レベル」は、図に示されるように、下から「環境レベル」「行動レベル」「能力レベル」「信念・価値観レベル」「自己認識レベル」「自分を超えた存在のレベル」の6段階です。

出所:ロバートディルツ氏が考案した体系図に対して筆者加工

「環境レベル」は、英語で言うと、When、Where、いつ、どこで、のように日々の生活の外的な側面を意識するレベルです。例えば、今日は天気がいい、私は、○○に住んでいます、私は、○○会社で働いています、などの環境レベルの意識です。

「行動レベル」は、英語で言うと、What、これをやります、というような特定の行動を指します。例えば、ごはんを食べます、映画を見に行きます、ジョギングをします、のような行動の意識レベルです。

その上が、「能力レベル」で、英語で言うと、How、どのようにそれをやるのか、どれぐらいやるのか、その方のリソース、例えば、資格、特技、資金などであったり、もう少し広く捉えると、方向性、可能性、戦略などのようなものも含む意識レベルを示しています。

その上が、「信念・価値観レベル」で、英語で言うと、Why、なぜそれをするのか、というその方の信念・価値観を示す意識レベルです。

その上が、「自己認識レベル」で、英語で言うと、Who、私は誰なのか、私は何者か、アイデンティティーやセルフイメージを表す意識レベルです。私は誰なのか、何者なのかということを深めていくと、目的や使命のようなところに繋がっていきます。そういったものを含めた意識レベルになります。

その上が、「自分を超えた存在レベル」で、英語で言うと、For What、For Whom、誰のために、何のために、というレベルです。

下の三角形は、「自分を中心」とした意識レベルです。

それに対して、上の逆三角形は、「自分以外の存在」とのつながりを表す意識レベルです。例えば、「家族」のため、「会社」のため、「地域社会」のため、「我が国日本」のため、「世界」のため、もっと広く捉えると、「歴史」とか「宇宙」とか目に見えないスピリチュアルな世界も含めて、これらが広がっていく世界の意識レベルで、逆三角形となっています。

「ニューロ・ロジカル・レベル」は、これらの意識レベルを6段階で示したものになっています。

この「ニューロ・ロジカル・レベル」を使う特長・メリットは、大きく二つあります。

1つ目の特長は、新しい行動のアイデアや気づきを引き出すことが可能となる点です。

コーチが、クライアントの意識がどの意識レベルなのかを感じながら、質問によって意識レベルを変えていく、そして、より外的なものから内的なもの、より意識的なものから無意識的なものを引き出しながら、何か今まで感じたことのない想いや気づきを土台にして、改めてこれからどんな風にしていくのがいいのか、新しい行動のアイデア・気づきを引き出すことが可能となってきます。

もう1つの特長は、下の意識レベルは、上の意識レベルに与える影響は少ない、上の意識レベルが下の意識レベルに与える影響は大きい、という点です。

大切なことは、「能力レベル」「行動レベル」「環境レベル」をどうしたらいいかということよりも、どんな「信念・価値観」を持ち、私は何者なのかという「自己認識」を持つことがより大切です。さらにもっと言えば、「自分のために」何とかしようというよりは、「誰かのために」私はこういう目的・使命を持って、やるんだという「自分を超えた存在」のところに動機があれば、より力強く「能力・行動・環境レベル」を変革していけるということです。

2つの事例を見ていきたいと思います。

事例1:部屋の整理・整頓や片付けるのが苦手

『私は部屋の整理・整頓や片付けるのが苦手ですといった「行動レベル」のお悩み』をクライアントから相談されたとします。

では、一度プロに頼んで、部屋を綺麗にしてみましょうという「環境レベル」を変えたところで、クライアントの「行動レベル」は変化するでしょうか?

下の意識レベルから上の意識レベルの影響力は少ないので、綺麗な部屋を維持することに多少の影響力はあるかもしれませんが、クライアントの本質的な「行動」が変わるとか、「能力」が身につくということは難しいのではないでしょうか。

逆に、「行動レベル」のお悩みを、クライアントの「能力レベル」を変えることによって、お悩みを解決する方向に導くことはできます。

例えば、「断捨離スキル・技術」を身につけて、「行動」を変えた結果、部屋がきれいになりましたとか、

例えば、「こんまり流片付け術」を身につけて、「行動」を変えた結果、部屋が片付きましたとか、より上位の意識レベルの方が影響力が大きいということになります。

ちなみに、「こんまり流片付け術」は、単なるノウハウではなくて、実は「トキメキ」というキーワードを中心に判断するようなメソッドになっています。つまり、ときめくかどうかといったその人の「価値観レベル」に基づく片付け術ということになるので、これだけ支持され、多くの人に影響を与えているのではないかと思います。

極端な例を挙げてみたいと思います。

「能力・行動・環境レベル」よりもさらに重要なのは、「信念・価値観レベル」「自己認識レベル」「自分を超えた存在レベル」です。

なぜ、この人は部屋を片付ける、整理・整頓ができる人になりたいのか、といった信念・価値観がより大切になってきます。

仮に、この方が、だらしない人、整理・整頓できないダメな人に思われたくないとか、きちんと片付けることによって人に好かれたい、そういう動機であったとしたら、この方の「自己認識レベル」は、どういったものになるでしょうか?

もしかしたら、根底には、私はできない人、ダメな人、だから、能力、行動、環境レベルで、何とか頑張ろうという目に見えない「自己認識」が隠れているかもしれません。

逆のパターンで、この「自己認識」が、例えば、女性であれば、家族をかけがえのない宝物と捉えている良き妻で、良き母親であるという「自己認識」が無意識レベルである方であれば、「信念・価値観」は、自分のことよりも家族を大切にしようとか、家族が本当に心地よくて笑顔で暮らせる生活空間を作りたいといった「信念・価値観」を持つようになり、価値観を実現するために必要な「能力(例えば、こんまり流片付け術)」が身につき、必要な「行動・ふるまい」が起きて、ふさわしい「環境(生活空間)」ができてくるということになります。

大切なことは、能力・行動・環境レベルをどうしたらいいかということよりも、どんな信念・価値観を持ち、私は何者なのかということがより大切で、もっと言えば、自分のために何とかしようというよりは、誰かのために、私はこういう目的・使命を持って、やるんだという「自分を超えた存在」のところに動機があれば、より力強く「能力・行動・環境レベル」を変革していけるということです。 もう1つの事例を見ていきたいと思います。

事例2:ピアノが上手に弾けるプロになりたい

「私はピアノが上手に弾ける人になりたい」という「能力レベル」の目標を持ったAさんとBさんを事例に挙げて、ご紹介いたします。

Aさんは、私はプロのピアニストですという「自己認識」を持っています。

Aさんは、何のためにプロのピアニストになりたいか、極端な例になりますが、私はプロのピアニストになって有名になりたい、かっこいい人になりたい、お金をガンガン稼げるようになりたい、そういう「自己認識」を有しています。

例えば、私はプロのピアニストになって有名になりたい「自己認識」であれば、できる限り知名度を上げる「信念・価値観」を有し、そのためにはSNSにたくさん出演する「能力」を身につけて「行動」し、行動を実現できる「環境」を選んでいくことになります。

しかし、これらには、「自分を超えた存在」とのつながりは、何かあるでしょうか?「自分を中心」とした動機である場合、「自分を超えた存在」とのつながりはないため、「自分を超えた存在」からの影響力もありません。

そうすると、自分よりも能力のある人、自分よりもものすごいトレーニング・行動をしている人、自分よりも素晴らしい環境でピアノを学んでいる人が出てきたら、「自己認識」を確信できなくなってしまうかもしれません。それは、「自分を超えた存在」からの影響を受けていないためと考えられます。

でも、BさんはAさんと違います。

Bさんも、Aさんと同じくプロのピアニストになるという「自己認識」を持っていますが、「なぜ、プロのピアニストになりたいのか」は違っています。

昔、Bさんは学生時代に、あるピアニスト(Cさん)の演奏を聴いて、涙が出るくらい感動して、自分の人生や生き方が変わりました。こんなに音楽の力で、人に影響を与えるのであれば、自分も、「人に感動を与える、影響力を持つプロのピアニストになりたい」、そして、当時のBさんが、Cさんの演奏による影響力によって救われて、悩みが解決したように、悲しんでいる人、困っている人を、音楽の力で勇気づけたいんだ!そういう「自分を超えた存在」レベルの動機があったとしたら、私はプロのピアニストなんだけど、困っている人や悲しんでいる人に勇気を与える「使命」があるという動機付けになります。

これは、「自分を超えた存在」の影響力は大きいということを示唆しています。

そうすると、Bさんが、どんな「能力」を身につけて、どんな「行動」をとるかよりも、「自己認識」が確定している中で、大切な人の心がわかる人になるとか、人の悲しみを共感できる人になるといった「信念・価値観」を持ち、そのような価値観に基づく演奏をするためには、どんな「演奏能力」を身につける必要があるのか、どんな「行動」が必要なのか、考えるようになります。例えば、同じような価値観を有するプロのピアニストの演奏を、実際、聴いてみるとか、その方の話を詳しく訊いてみる、問いかけてみるとか、具体的な行動をとっていきます。そして、必要な「演奏能力」を身につけるための「行動(練習)」をするのにふさわしい「環境(練習空間)」を選択し、そこで生活をするようになります。

このように、AさんとBさんは、「自己認識」が表面上同じであったとしても、「自分を超えた存在」とのつながりがあるのかないのかで、能力、行動、環境は全く異なってきます。

いかがでしたでしょうか?

私は、ニューロ・ロジカル・レベルの話を受け、感動し、感銘を受けました。

人生に、正解はないと思いますが、私はBさんの生き方や思考様式を見習いたいと思いました。

私自身の自己認識(セルフイメージ)

私自身が、今、想い描いている「自己認識(セルフイメージ)」は、言語化してみると、以下の2点です。

(1)「安心感」「つながり感」「自己肯定感」を大切にしながら、お客様の新事業やビジョンを「見えるカタチ」にして、「成長」「ステージアップ」を助ける伴走型・経営コンサルタント

(2)安心・安全・ポジティブな「場づくり」と「言葉」で、お客様(社長,社員,組織・チーム)に「影響(a.気づき,b.意欲,c.行動)」を与えて「成果(a.満足,b.喜び,c.感動)」をもたらす経営コンサルタント・研修講師

ぜひ、お客様にもニューロ・ロジカル・レベルを活用していきたいですし、自分自身のセルフコーチングにも活用し、日々の実践・トレーニングを積み重ねていきながら、コーチングスキルを高めていきたいと思っています。 ぜひ、みなさんもご活用いただければと思います。

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